新発見 東かがわ市・さぬき市の歴史11 ~小規模古墳から発見された銅鏡~

さぬき市大川町富田西にある古枝古墳から西へ600m行った古枝地区と大井地区の境界の丘陵上で令和2年に開発事業に伴う事前調査で古墳が発見され、令和3年に発掘調査が実施されました。

遺跡名は古枝西遺跡で古墳は直径約8m、高さ約1.5mの円墳です。よく見るとわずかな高まりがわかる程度の小さな古墳でした。そのためか、古墳の埋葬施設の中は盗掘されることなく副葬品はそのままの状態で残されていました。

古枝西遺跡の古墳の全景

埋葬施設は板状の石材で構築した箱式石棺です。内部には頭や足の人骨の一部が残り、1人が東向きに埋葬されていました。副葬品は頭骨の右斜め上から銅鏡、右横から滑石で製作した琴柱形(ことじがた)石製品、頭骨周囲からは同じく滑石の玉類約27点(管玉7点、小玉約20点)と紺色のガラスの小玉3点が出土しました。さらに頭骨から30~40㎝離れた胸部付近からは緑色凝灰岩の管玉が1点出土しました。こうした副葬品の状況から古墳の年代は古墳時代前期後半~中期初頭で、さぬき市の国指定史跡である津田古墳群から富田茶臼山古墳へと変遷していく頃の古墳であることが判明しました。

副葬品で注目されるのは琴柱形石製品と銅鏡です。

琴柱形石製品
銅鏡

琴柱形石製品は装飾品の一つですが形が多様で詳細な用途はまだ判明していません。香川県内で発見されたものはわずか5例という珍しいものですが、さぬき市では今回で2例目の発見となりました(2例は東かがわ市田中遺跡出土品)。

銅鏡は日本で製作された倭鏡です。鏡背にはぶつぶつの文様(珠文)が表現されており、鏡種は珠文鏡(しゅもんきょう)です。直径は8㎝とさぬき市内で発見されている銅鏡の中では最小規模になりますが、小さいながらも銅鏡が副葬されていた点が重要です。銅鏡は古墳時代では権力者の象徴でしたが、さぬき市内ではランクの低い小規模古墳にも銅鏡が副葬されている点が指摘できます。さぬき市は香川県内の中でも銅鏡が多く発見されている地域ですが、こうした傾向はまさに古墳時代当時の社会構造を映し出しているのかもしれません。四国最大の富田茶臼山古墳が造営されていた頃、古枝西遺跡の古墳は築造されました。

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